友達?なのはとユーノ
■ユーノの入院生活10日目〜
ユ「お祭り?」
な「うん!」
満面の笑みを浮かべてなのはは頷く。
な「明日、商店区画であるんだって」
ユ「へぇ、そんな事まで・・・」
ある意味、実に馬鹿げた話だ。
局員の居住性を追及し、その内部に一つの街を再現した管理局。
しかも再現しているのは祭りなどという行事にまで至っているらしい。
ひょっとしたら町内会まで存在しているかも知れない。
な「それでね・・・明日、一緒にお祭りに行かない?」
ユ「一緒にって僕となのはでって事?」
な「うん!」
先ほどの台詞にそれ以外の取り方があったら教えて欲しい。
そんな事を思わせる疑問を口にしたユーノに対し、
なのはは再び満面の笑みで頷いた。
な「ユーノ君の怪我、大分よくなったし、ずっと医療区の中じゃ退屈でしょ?」
ユ「ウ…ン、まあ退屈って言ったら退屈なんだけど」
実際、ユーノの腕は治療らしい治療はすでに終わっていた。
痛々しかった包帯も今は解かれ、所々やけに白い肌を晒している。
だが、完治したという訳でもない。
現在リハビリ中であり、スプーンさえ満足に持てない状態だ。
ユ「で、でもまだ手が動かせるようになった訳じゃないし、
一応入院してるんだし勝手に出歩くのはどうかと・・・」
そんな状態の自分が退屈だからと遊びにでていいものか?
一緒に行ってもきっとなのはが楽しめないだろう。
と思い、発した言葉だったのだが、
な「じゃあ、先生(医者)が、いいって言ったら行こう?」
ユ「え?あ、ああ、うん、そうだね」
なのはは単に行くなら医者の許可を取ってから、
という意味に取ってしまったらしい。
そして、医者の許可は実にアッサリと降りた。
〜翌日〜
ユ「・・・うわ」
な「ふわァ、凄いねェ」
祭り(時空祭りというらしい)へとくり出した二人は唖然とした。
ユ「凄い人数だね」
な「う、うん」
商店区画は見渡す限り人・人・人でごった返しになっていた。
な「何人くらいいるんだろ?」
ユ「さ、さあ?・・・これって全員局員なのかな?」
な「た、たぶん、管理局施設って一応許可無いと入れないし」
これだけの人数だ、少なくとも1万人以上はいるだろう。
その全てが局員もしくは管理局関係者だとすれば、
ユ「・・・この人数が仕事休んでるのか・・・」
な「・・・」
な・ユ(だ、大丈夫なのかな?)
何ともいえない不安に駆られる二人だった。
ユ「やっぱり屋台とかが多いね」
な「うん、お祭りっぽいね」
不安や疑問は尽きないが、この祭りは伝統行事となっているのだ、
局の運用には支障をきたせたりはしていないだろうと結論を出した二人は祭りを楽しむ事にした。
ユ「・・・流石は管理局のお祭りだね、いろんな世界の屋台が出てるみたい」
な「ふ〜ん、そうなんだァ、ア!スゴイ!あそこの屋台わたあめ売ってる〜♪」
ユ「わたあめ?」
初めて聞く言葉にユーノは小首を傾げる。
な「ユーノ君、わたあめ知らないの?」
ユ「う、うん」
な「そっか、じゃあ食べてみる?」
ユ「いいけど、なのは食べた事あるみたいだけど、どこで?」
な「海鳴町のお祭りでだよ、日本にもあるの」
ユ「へぇ」
異なる世界に同じ食べ物がある、世界には不思議な事が多い。
な「すみません、一つください♪」
リンディ「アラ、なのはさんじゃない♪」
世界には不思議な事が多い。
つづく